物語の舞台

物語の舞台、豊葦原瑞穂国

『ふたつの花と龍の神』は豊葦原瑞穂国(とよあしはらみずほのくに)と言う架空の国を舞台にした、オリエンタルファンタジーになります。

※大きな地図はこちらからご覧ください。

豊葦原瑞穂国は、『華の国』『火の国』『水の国』『風の国』『地の国』の五つの国から成り立っています。
『華の国』を中心に、他の四国がそれを取り囲んでいます。

豊葦原瑞穂国の周囲には『龍神の加護』と呼ばれる結界が施されており、他国、魔物からの侵略を防いでいます。
その結界を行き来する事が出来るのは、風の国の貿易船だけです。
華の王殺害後は、段々と結界が薄くなって来ており、魔物の姿を見る事が多くなって来ました。

華の国(陰名:空の国)

神の末裔である華王が治め住む国。豊穣と芸術の都
華の国王:前王・八雲(故人)
守護聖獣:龍神
王都:真秀(まほろば)
人口:2万人程

豊葦原瑞穂国の中心にある桜の花びらの形の島が、華の国です。
1400年前に、天空より舞い降りた天上人と龍神が作ったと伝えられており、この事から空の国と呼ばれる事もあります。
国土は豊葦原瑞穂国の中でもっとも小さく、水の国の水月湖の半分程の大きさです(西表島ほどの大きさ)。
国の東南には花弁の形をした湖があり、その西側に王都『真秀(まほろば)』があります。
1年を通して温暖な気候で過し易く、他の国では見られないさまざまな種類の花が咲き誇っています。
豊富な資源を各国に提供し、その見返りとして様々な貢物を受取っています。
華の属性を持つ人族の他に、火・水・風・地の国の貴族が華の王に奉公する為に住居を構えています。
真秀の街中は美しく、住む人たちも華やかで芸術面に高い才能を開花しています。

東側には花弁島と呼ばれる小さな島があり、龍神が降り立つ島として信仰の対象となっています。
住民はおらず、華の王の許可がなければ渡島する事は出来ません。

火の国

火山と巨大な砂漠から出来ている軍事国家
火の国の領主王:紅蓮(ぐれん)
守護聖獣:朱雀
首都:炎陽(えんよう)
大都市:騰蛇(とうしゃ)
人口:100万人程

華の国の南にあるのが、火の国です。
国の三方は海に囲まれており、東側は巨大な川が水の国との国境になっています。
高温で乾いた気候の火の国では農作物の収穫は乏しく、軍人や用心棒として生計を立てている者が多く存在します。
首都の炎陽には火の国の領主王の居城があり、城下町は活気に溢れています。
大都市の騰蛇には主だった産業は無いですが、各国に渡航する為の巨大な港と軍事施設があります。港には国営の色街があり、女性の少ない火の国では流行っていますが、そこに勤めるのは男女共奴隷身分ばかりです。
東南には火の国の信仰の対象になっている緋津名火山があり、昔はこの麓に首都がありましたが、50年前の大噴火で火山灰に埋もれ廃都となりました。
南には巨大な紅蓮砂漠があります。昼は50度を超える気温が夜にはマイナス10度となり、火の国の中でも過酷な環境になっています。人族が住むことは不可能ですが、環境に適した獣族が多く住んでおり、正確な生息数は定かではありません。

隣接する水の国とは正反対の気質で、意見が合わない事が多く、国境で小競り合いが生じることもあります。
風の国には結界の外に出る際の護衛を務めています。
地の国とは、武器の製造などの技術支援で交流があります。

火の国の将軍である不知火の謀反に、領主王紅蓮はいち早く異議を唱えており、兵を上げる準備をしているという噂です。

水の国

湖と深い森に囲まれた神聖国家
水の国の領主王:水蘭(すいらん)
守護聖獣:青龍
首都:水天宮(すいてんきゅう)
大都市:森羅(しんら)
人口:100万人程

華の国の東にあるのが、水の国です。
国の二方は海と接しており、南は火の国との国境である巨大な川が流れています。北にある地の国とは地続きであり、国境があやふやです。
気候は穏やかですが、他の国から訪れた者は高い湿度に体調を壊す事もあります。
首都の水天宮は、国の東南にある水月湖に浮かぶ島にあり、信仰の総本山としての顔も合わせ持っています。
水天宮と共に水月湖に浮かぶ島は、霧の香と呼ばれています。霧が深く、どこからか馨しい香りが漂っているから命名されました。龍神信仰の聖地であり、少数の信者が数人滞在しているのみとなっています。
大都市の森羅には大きな港があり、人口は水天宮よりも多くにぎやかです。
森羅の東にある森羅の森は、自然信仰の象徴になっている場所です。緑が深く、地理に明るくない者が踏み込めば迷って抜けられなくなります。獣族が多く住んでいる地でもあります。
豊富な水を生かした農業、特に水田が多く存在します。美味しい米を利用した清酒作りも盛んです。
国民は信仰心が厚く、色街などの風俗的な職業はありません。貞操観念も強く、ほぼ全員が結婚するまで貞操を守ると言われています。

南側に隣接する火の国とは正反対の気質で、意見が合わない事が多く、国境で小競り合いが生じることもあります。
北側に隣接する地の国は、陸路は険しい山に阻まれているため、海を介して行き来しています。双方共穏やかな気質の為、前領主王の時代は交流が密でしたが、地の国の領主王の交代により疎遠になりつつあります。
風の国とは、農作物の貿易で双方の利害関係が一致しています。領主王同士が友人関係な為、交流は密です。

信仰心の厚い水の国の民は、不知火の謀反を許し難く思っています。
華の王の1人娘である桜香を探し出し、打倒不知火の旗印に担ぎ出そうとする動きがあります。

風の国

広大な草原を有し、四方を海に囲まれた商業国家
風の国の領主王:風早(かぜはや)
守護聖獣:白虎
首都:東風(こち)
大都市:北風(あなじ)
人口:130万人程

華の国の西にあるのが、風の国です。
国の四方を海に囲まれ、他国との行き来は全て船で行っています。
元は地の国、火の国とは地続きだったらしく、国の北と南では地形・気候などが大きく違います。
首都の東風は、国の中心に近い場所にあり、気温は少し高い程度で、強い風が吹く以外は過し易い気候です。
巨大な商業街があり、ここで手に入らない物は無いとまで言われています。結界の外の品物もここで取引されています。商業街と並んで巨大なのが、色街です。火の国とは違って国営ではなく、色街内で出来上がった独特の組合によって運営されています。そこに勤めるのは男女共奴隷身分ばかりです。
東風の南側は巨大な草原があり、遊牧民などが生活しています。多くの獣族もそこで暮らしています。
北風は、気温が低く湿度の高い気候です。結界の外に出る船の停泊港があり、船乗り、造船業者などが多く住んでいます。
北風の西南には天つ嵐山脈があります。ここは風の国が祀る神の住処だと言われ、信仰の対象となっています。万年雪と強い風が吹き荒れているので、領主王以外が登るのは不可能だと言われています。

他の国とは、商業取引などでソツなく交流しています。

個人主義・自由奔放・我関せずの国民性が強く、不知火の所業については傍観して、世の情勢を見極めてから身の振り方を決めようとしているようです。

地の国

高山と山脈に囲まれた技術国家
地の国の領主王:黒耀(こくよう)
守護聖獣:玄武
首都:地祇(ちぎ)
大都市:千百秋(ちおあき)
人口:70万人程(詳細は不明)

華の国の北にあるのが、地の国です。
国の三方を海に囲まれており、東南にある水の国とは地続きですが、陸路での行き来はなく国境もあやふやです。
国の8割が山で万年雪を頂いている山も多く、通年で気温は低く、暖かい時期はとても短いです。
首都地祇は、高い塀に囲まれた砦のような奇妙な様子の都市です。地上に見える部分はとても小さいのですが、都市機能の大部分は地下に収められており、巨大な地下都市が形成されています。その広さは、千百秋まで続いていると言われています。
居住区は洞窟や地下などに作るのが地の国では一般的ですが、大都市千百秋では、地の国には珍しく地上に大きな都が築かれています。
国の中心に聳える雲居神山は、豊葦原瑞穂国で最も高い山で地の国の信仰の象徴になっています。
周囲をたくさんの山脈に囲まれており、多くの獣族が暮らしています。
地の国の正確な人口は、地の国の領主王と華の王しか知りません。

現領主王になってから、他国との交流は庶民レベルでしか行われていません。

水の国同様、地の国の民も不知火による華の王殺害に対して強い憤りを覚えています。
しかし、不知火討伐に関しては消極的な様子です。

龍神の鱗

初代の華の王から四つの国の領主王に贈られた『奇跡を起こす神器』です。

火の国:国民の戦闘能力を上昇する事に使われました。
水の国:使われた形跡はありません。
風の国:『龍の加護』を通り抜ける事が出来る様、商船に使われました。
地の国:技術面の向上の為に使われました。


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